2014年5月28日水曜日

371号室の住人

5/25(日)
思いがけなく一ヶ月も入院する事となり、まるで牢名主の様に振舞っている。
口腔外科で手術のAさんのダンナさんは、17才になる犬のお世話が大変で入院中の奥さんに早く家に帰って来てほしいと懇願していた。血液内科に移動のBさんのダンナさんは、83才で洗濯機やFAXの扱いもわからないらしい。朝9時から夜8時まで奥さんのそばについて甘えている。
「わしは、かあさんと結婚した事が一番の宝だ。」と。奥さんがやさしく「ありがとうございます。少しずつ家事のおケイコしてネ。」となだめていた。夫婦愛を見た。大した病気でなければ良いのだけれど・・・胆嚢の手術のため入院されているCさんは、近々息子さんが(医師)結婚されるらしい。お嫁さんも女医さんで明るく聡明な方のようだ。希望に満ち溢れている。きっと回復にも加速がつくだろう。それにしても女性は痛みに対しても、精神的にも強い。これは持って生まれたものなんだろうか。どこの家でも奥さんが100%強い。世の中はそれで成り立っている。
病気は私に、謙虚さと忍耐を教えてくれた。そして青い鳥が家の中に居る事も。あれほどビジネスに執念を燃やしていた昨日がまるで嘘のようだ。家族の心配をする余裕もなかった。そのあげくに、大病をして家族に迷惑をかける羽目となった。今は仕事に執着はないが、それはそれで、若かったから才覚と努力で頑張れた事なので後悔も微塵もない。私だからこそできたと自負している。すばらしい出会いが私を成長へと導いてくれた。ただひとり孤軍奮闘していたと思い込んでいたけれど、そうではなく回りの人の理解と協力で支えられて来た事を、病気をして初めて知った。
あと3年でシルバー世代に突入する。ここらで生活を見直すチャンスととらえよう。スローライフで行こう。仮釈放の日が近づいている。私にとって闘いのプロローグが始まったばかりで本編はこれからだ。ここまで元気にして頂いたドクターはじめナース、スタッフの方々にどうお礼を申しあげてよいのだろうか。健康は「奇跡の幸福」家族と皆様に感謝。   yuriko


 
日赤の屋上にて

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